小腸がんは、がんの中でも発生率が低いがんです。主に十二指腸がん、空腸がん、回腸がんの三種類に分類されます。十二指腸がんは胃カメラによる検査にて、回腸の中でも大腸に近く接している部分は大腸カメラによる検査で、比較的スムーズに早期発見しやすい傾向にあります。
ただし、空腸や回腸の大部分は標準的な内視鏡検査での観察が難しく、早期発見されにくいと言われています。小腸がんの中で、十二指腸がんが全体の45%を占め、空腸がんが35%、回腸がんが20%となっています。腺がんは比較的稀で、神経内分泌腫瘍の発生が多い傾向にあります。
また、悪性リンパ腫やGIST（消化管間質腫瘍）、平滑筋肉腫などの稀ながんも存在します。

小腸がんは初期段階では自覚症状がほとんどなく、進行すると腹痛や膨満感、吐き気、嘔吐、血便、貧血などの症状が現れます。
特に、がんが胆汁の流れを妨げる位置にある場合、黄疸が発生することがあります。
十二指腸がんは胃カメラ検査で、大腸に近い回腸の部分は大腸カメラ検査で見つけやすいのですが、その他の部分は症状が現れてからでないと発見が難しいです。

バルーン型内視鏡を用いた小腸粘膜の観察・組織採取が有効とされています。カプセル内視鏡も小腸粘膜の観察に利用されますが、組織採取ができないため、確定診断する際には使用できません。
また、造影剤を使用したCT検査を選択することもあります。
小腸壁の肥厚、腫瘍の存在、狭窄の有無を確認できるほか、リンパ節の腫脹や異常な血管など、消化管以外の部分も観察できます。そのため、病状の全体像を把握するのに有用です。