直腸がんについて
直腸がんは大腸がんの一種で、肛門に近い直腸に発生します。発症率が高く、進行すると肛門機能に大きな悪影響を及ぼします。早期発見を目指すには、大腸カメラ検査を受ける必要があります。早めに見つけ出せば、内視鏡を用いた低侵襲治療でも完治できる可能性が高いです。
ただし、病状が進行すると、大規模な手術や化学療法、放射線療法が必要です。場合によっては人工肛門の設置を余儀なくされることもあります。
症状が現れたら速やかに医師の診察を受ける必要がありますし、40歳を過ぎたらリスクが高まるため、定期的な大腸カメラ検査で早期発見を心がけるようにしましょう。
直腸がんの症状について
直腸がんの検査・診断方法について
大腸カメラ検査では、病変部分を直接観察したり組織を採取したりすることが可能です。
組織採取によって確定診断をつけていきます。直腸がんが確認された場合は、病変が消化管を超えて広がっていないかを調べるために、腹部CT、超音波検査、MRIなどの画像診断を実施します。
これらの検査結果を総合的に評価し、がんの進行度に応じた治療計画を提案します。
直腸がんの治療方法
直腸の粘膜に限定されたがんは、内視鏡を用いて除去することが可能です。内視鏡での切除が難しい場合は、肛門を通じた手術が選択肢となることもあります。
現代の外科手術では、腹腔鏡やロボットを利用した手術が主流ですが、がんが進行している場合には、開腹手術が必要になることもあります。場合によっては、人工肛門の設置が必要になるケースもあります。さらに、がんが他の部位に転移している場合は、手術だけでなく放射線治療や化学療法も検討します。
治療内容は、病変の位置や範囲によって変わりますが、生活の質(QOL)を維持するためには、肛門括約筋や直腸の機能を保つことが重要です。通常のがん治療ではリンパ節を全て除去することが一般的でしたが、直腸周辺には排尿や性機能に関わる重要な神経が存在しています。そのため治療では、これらの神経を保護することも考慮されます。