足の付け根のしこり

MEDICAL 足の付け根のしこり

足の付け根にしこりがある状態とは?

足の付け根とは、恥骨と腸骨を結ぶライン付近を指します。
このラインの上下で発生するしこりには、さまざまな原因が考えられます。特に、立ったときにしこりが出て、寝たら引っ込む、またはお腹に力を入れた際に出現する場合は、鼠径ヘルニアが疑われます。 また、このラインの下側では、大腿ヘルニアという少し特殊なヘルニアが原因となることもあります。
一方、足の付け根にはリンパ節が多く集まっているため、リンパが腫れてしこりのように感じられる場合もあります。
感染や皮膚の炎症(例えば、ニキビのような状態)も原因の一つです。

健康状態への影響は?

足の付け根にしこりがある場合、気のせいや健康に問題がない状態ということは少なく、何かしらの原因がある可能性があります。
特に、痛みを伴ったり、繰り返ししこりが発生したりする場合には、病気が隠れている可能性が高まります。
リンパ節の腫れが病的意義を持たない場合もありますが、しこりが気になる場合は一度医師の診察を受けることをお勧めします。

しこりの正体とは?

しこりとは、手で触れることができる腫れや膨らみを指します。その原因には、内側からの圧力によるもの(例えば、鼠径ヘルニアで腸が飛び出している状態)や、外部の炎症によるもの(例えば、皮膚の感染による腫れ)があります。
しこりが赤く腫れて痛みを伴う場合、病的な原因が関与していることが多いため、自己判断で放置せず、医師の診察を受けることが重要です。

放置した際のリスク

足の付け根にしこりがある場合、そのまま放置することは大きなリスクを伴う可能性があります。その原因となる病気によってリスクの種類や程度は異なりますが、いずれの場合も注意が必要です。

鼠径ヘルニアの場合

鼠径ヘルニアの場合、しこりを放置しておくと、ヘルニアの穴がどんどん広がり、しこり自体が大きくなる傾向があります。大きくなるにつれ、しこりや腫れの目立ち具合が増し、日常生活に支障をきたすこともあります。
痛みが一時的に和らぐ場合もありますが、根本的な問題は解決せず、さらに悪化する可能性があります。 また、ヘルニアが大きくなると、修復が難しくなり、手術時に周囲の神経や血管への影響が出るリスクも増加します。
足の付け根には重要な神経や血管が多く通っているため、手術が複雑になり、後遺症が残るリスクも高まります。

リンパ節の腫れや感染の場合

リンパ節の腫れや皮膚の感染が原因の場合、放置すると炎症が悪化し、破裂(膿瘍の破裂)することがあります。破裂すると膿が出て、一時的に痛みが和らぐことがありますが、根本的な治療をしない限り、炎症が繰り返されることが多いです。
この繰り返しにより、炎症範囲が徐々に広がり、痛みの範囲も増えていきます。 また、長期間放置することで、炎症が悪性化するリスクが高まる可能性もあります。
これは頻繁に起こるわけではありませんが、繰り返される炎症は健康への長期的なリスクを伴うことを覚えておく必要があります。

放置による長期的な影響

足の付け根にしこりがある状態を長期間放置すると、次のようなリスクが考えられます

  • 痛みの慢性化: 繰り返される痛みが慢性化し、日常生活に大きな支障を与える。
  • 炎症の拡大: 炎症範囲が広がり、治療が困難になる。
  • 後遺症のリスク: ヘルニアが大きくなりすぎたり、炎症が深刻化したりすることで、手術後に後遺症が残る可能性。

これらのリスクを防ぐためにも、しこりに気づいたら早めに医師の診察を受けることが重要です。

考えられる病気

足の付け根にしこりが見られる場合、原因となる病気はさまざまです。以下に、考えられる主な病気を挙げて説明します。

鼠径ヘルニアの場合

鼠径部の筋膜という薄い部分に腹圧がかかり続けることで、内臓(特に腸)が押し出されてできる袋状の膨らみです。立ったときやお腹に力を入れたときにしこりが出現しやすく、寝ると引っ込むことが特徴です。

鼠径部のリンパ節の腫れ

感染などが原因でリンパ節が腫れることがあります。リンパ節は体内で免疫反応を担う重要な部分ですが、感染によって過剰に働くと腫れてしこりのように感じられることがあります。

動脈瘤や静脈瘤

血管の一部が膨らんでしまう状態です。特に足の付け根に近い部分で動脈や静脈に瘤ができると、しこりとして触れることがあります。場合によっては血流障害や痛みを伴うこともあります。

感染性の腫れ(膿瘍)

ニキビや皮膚感染が原因で足の付け根に腫れが生じることがあります。これらは内部に膿が溜まり、痛みや発熱を伴う場合があります。

抜管水腫

女性に多く見られる病態で、足の付け根付近に水の袋のような腫れが生じる状態です。しこりとして感じられるものの、内容は液体であるため柔らかい触感が特徴です。
これらの病気はしこりの原因としてよく見られるものですが、原因を特定するには医師の診察と必要に応じた検査が不可欠です。しこりが気になる場合は、早めに専門の医師にご相談ください。

治療方法・受診科目

足の付け根にしこりがある場合、原因によって治療方法や受診すべき診療科目が異なります。それぞれの病気に応じた治療法を以下に説明します。

鼠径ヘルニアの場合

治療方法

鼠径ヘルニアは、基本的に手術でしか治すことができません。診断には、腹部への力を入れた際の触診や視診が有効であり、エコーやCT検査で状態を確認することが一般的です。
手術は、最近では腹腔鏡手術が主流です。お腹の内側からヘルニアを修復する方法で、体への負担が少なく、回復も早いとされています。

受診科目

外科または消化器外科

鼠径部のリンパ節の腫れ

治療方法

リンパ節が腫れている場合、全身の病気が関与している可能性もあるため注意が必要です。複数のリンパ節が腫れている、または赤く腫れている場合には、一部のリンパ節を切除して顕微鏡で詳細を調べることがあります。
これにより、がんの転移などの可能性を評価します。単なる感染による腫れの場合もありますが、診断のための切除が重要な役割を果たします。

受診科目

内科、外科、または腫瘍内科(場合による)

動脈瘤・静脈瘤

治療方法

動脈瘤や静脈瘤は、基本的に経過観察が多いですが、症状がある場合や治療を希望する場合には、以下のような対応を取ります

  • 動脈瘤: カテーテルを使って詰め物をする治療
  • 静脈瘤: 瘤を切除、または静脈ごと取り除く手術
受診科目

血管外科または循環器内科

感染性の腫れ(膿瘍)

治療方法:

膿が溜まっている場合、膿を切開して排出し、患部を清潔に保つ治療が行われます。これにより症状が改善することが多いですが、繰り返す場合には、膿が溜まる範囲を切除する手術を行うこともあります。

受診科目

外科または皮膚科

抜管水腫

治療方法:

抜管水腫は手術で治療することが可能ですが、症状が軽微な場合には経過観察を選択することもあります。

受診科目

婦人科または外科

当院の外科外来にお越しください

鼠径ヘルニアの治療は、再発率を考慮しても、現在では腹腔鏡手術が最適とされています。
この方法では、お腹の内側からヘルニアの穴を塞ぐことで、体への負担を軽減しつつ確実に治療が可能です。また、最近では日帰りで手術を受けられるケースも増えています。
当院では、腹腔鏡を用いた鼠径ヘルニア手術を行っており、日帰り手術にも対応しております。専門の医師が診察を行い、一人ひとりに適した治療方法をご提案いたします。
診察や手術についてのご相談は、24時間いつでもネットで予約が可能です。気になる症状がある方は、ぜひお気軽に当院の外科診察にお越しください。

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