腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の日帰り手術

LAPAROSCOPIC 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の日帰り手術

減量や代謝改善の手術にはさまざまな方法がありますが、日本では主に4種類が行われています。その中でも、当院では「腹腔鏡下スリーブ状胃切除術」のみを提供しています。
当院は保険での腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は行なっておらず、自由診療での手術となります。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術とは

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

現在、日本で最も一般的に行われている手術法です。胃の外側(大弯側)を切除し、細長い筒状に形成することで摂取エネルギーを減らし、減量効果を得る方法です。
この手術による平均的な体重減少率は約30%です。また、手術から1年後の糖尿病寛解率(糖尿病の治療薬が不要になる)は約60~80%と報告されていますが、これは患者の人種や術前の糖尿病の状態によって異なります。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の利点と欠点

胃の外側にあたる大彎側を切除し、胃を細長い袖状(スリーブ)に形成します。これにより、胃の容量は約1/10に縮小されます。この手術にも他の手術と同様に、さまざまなメリットとデメリットが存在します。

利点

この手術は食事量を制限することで効果的な体重減少を促進しますが、食べ物は通常通り消化・吸収されます。
術後も胃や胆道の内視鏡検査が可能です。また、日本で最も普及している減量手術であり、比較的安全に実施できる方法です。

欠点

胃を細長く切除するため、一度手術を受けると元に戻すことはできません。また、術後は食事が通過する部分が狭くなるため、吐き気や逆流性食道炎、嘔吐が発生することがあります。
ただし、栄養吸収に障害はなく、少量ずつ時間をかけて食事を摂ることができるため、食事自体は可能です。しかし、リバウンドのリスクも存在します。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の対象となる方

以下の①または②に該当し、6ヶ月以上の内科的治療を行っても十分な効果が得られない場合

BMI 35kg/m2以上の場合

糖尿病、高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、または非アルコール性脂肪肝炎を含む非アルコール性脂肪性肝疾患のいずれかを併発している方。

BMI 32.5-34.9kg/m2の場合

HbA1cが8.0%以上(NGSP値)の糖尿病、高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、または非アルコール性脂肪肝炎を含む非アルコール性脂肪性肝疾患のうち、2つ以上を併発している方。

減量・代謝改善手術の効果

海外の研究によると、減量・代謝改善手術を受けた患者と内科的治療を行った患者を比較した場合、内科的治療では長期的な体重減少効果が限られているのに対し、外科的治療を受けた患者では長期的な体重減少が持続することが確認されています。
さらに、外科的治療を受けた患者では死亡率の低下も報告されています。術式によって異なるものの、糖尿病、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群の改善も見られることが示されています。
これらの結果から、減量・糖尿病手術は単なる体重減少にとどまらず、肥満に関連するさまざまな疾患にも優れた効果を示すことがわかります。
しかし、これらの肥満関連疾患に対する効果は、手術を受けるだけで全てが得られるわけではなく、術後の長期的な経過観察とサポート体制が重要であることも忘れてはなりません。

手術に関連する合併症

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の合併症は決して多くありませんが、以下に示すような合併症があります。

  • 深部静脈血栓症、肺塞栓症・肺梗塞(0.5〜4%):手術中に間欠的な下肢圧迫を行い予防するとともに、必要に応じて抗凝固療法を実施して予防します。
  • 呼吸不全・肺炎・無気肺:重篤な場合人工呼吸器の使用が必要な場合があります。
  • 消化管出血・腹腔内出血:診断には内視鏡検査やCT検査が必要で、出血が多い場合には輸血が行われることもあります。
  • 縫合不全(0〜5%):難治性のケースが多く、再手術が必要になることがあります。
  • スリーブの狭窄・捻れ:内視鏡を使って拡張治療を行うことがあります。
  • 腸閉塞(1〜5%):癒着により腸の通過障害が生じることがあります。この場合、食事の開始が遅れ、経鼻チューブの挿入による治療が必要となることがあります。
  • 逆流性食道炎:内服治療が必要となることもあり、多くの患者さんで軽度の逆流が見られます。そのため、手術前に重度の胃食道逆流症が確認された場合、スリーブ手術を避けることがあります。
  • 栄養吸収障害:術後は定期的に外来で検査を行い、栄養状態を評価します。
  • 腹壁創部感染
  • 皮下気腫:手術中に使用する炭酸ガスが皮膚の下に入り込むことがありますが、ほとんどの場合、自然に吸収されて治癒します。
  • 腹壁瘢痕ヘルニア(15〜20%):腸閉塞の原因となることがあり、その場合は再手術による修復が必要になることがあります。
  • その他:心筋梗塞・脳梗塞など

これらのさまざまな合併症が発生した場合、入院期間が延長することがあります。

手術に伴うリスク(死亡率)

海外の報告では、腹腔鏡下スリーブ状胃切除手術の死亡率は約0.2%とされていますが、日本ではまだ外科手術の症例が少なく、十分なデータが集まっていません。減量・糖尿病手術を含む外科手術では一定の頻度で手術に伴う死亡が発生することがあり、すべての手術が安全とは言えません。
しかし、減量・糖尿病手術が対象とする高度肥満症の患者においては、数年にわたる経過観察で、手術による減量が実現した患者は、手術による死亡を含めても、手術を受けていない患者に比べて死亡率が1/9に低下することが確認されています。このことは、減量・糖尿病手術が患者の命を守るうえで有効であることを示しています。

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